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ただアニメをほめるだけ

更新頻度が低すぎる

『Re:ゼロから始める異世界生活』第8話の"ウザさ"の演出と音響について

2016 春アニメ

Re:ゼロから始める異世界生活

第8話「泣いて泣き喚いて泣き止んだから」

脚本:横谷昌宏 絵コンテ、演出:岡本学 作画監督:田中一真、世良コータ

全仏オープンテニス2016中継」延長のため27:05~の放送となったRe:ゼロ第8話ですが、この時間まで起きてみる価値のある素晴らしい回であったと思います。

 タイトルにもあるように、"ウザさ"の演出と音響について感じたことをまとめさせていただきます。

 

 第8話あらすじ

「ロズワールの屋敷で迎える五度目の初日が始まった。絶対に救ってみせると心に決めたスバルはレムやラム、そしてロズワールたち屋敷関係者たちから信頼を得るためにとびきりの笑顔で立ち回る。大好きな人たちに好かれたい一心でがむしゃらに頑張るスバルだったが、心と体が徐々にちぐはぐになっていく。剥がれ落ちそうになる笑顔を必死に繕うスバルを見るに見かねたエミリアはスバルを床に座らせ、自らもその隣に正座する。」

STORY|TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより)

 

 第4話から続くロズワール邸での話もついに5週目となり、各ヒロインの性格や、主人公スバルの行動原理等が視聴者側にもよく伝わってきている頃合かと思います。

 Aパート冒頭は五度目のループの過ごし方の指針を示したのち、スバルの持つ陰属性の魔法についての話となっています。

 今までスバルが殺された時と似たような魔法の演出、BGMがなされスバルのトラウマを刺激する展開に。あえて深読みするとしたら、レアな陰属性の魔法であること、その制御しきれない強大さ等々から自身の魔法がスバルの死に影響をもたらしているのでは…

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 ↑3カメ演出と奥行き感のあるきのこ雲の黒煙。ギャグ的な要素でもあるがその強大さもしっかりと伝わる

 © 長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

 Aパートラスト付近、後半のシーンが印象的すぎて目立ち過ぎない伏線としてロズワールとラムの会話。レムがこれを立ち聞きする様子は双子でありながらもその役割の違いが大きくわかると思います。スバルの努力する姿を見ている視聴者側からするとその空回りっぷりを意識させる最初のカットともいえるのでは。

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© 長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

 そして、ベアトリスとの呪術師、呪術に関する話。エミリアが嫉妬の魔女サテラの名前を借りた理由は王選にスバルを巻き込まないための優しさだと判明。このシーンがあってからこそBパートが身に沁みますね。

 

 

 Bパート序盤はスバルのハイテンションとその空回りを描きます。ツイッターでも、リアルでも「Re:ゼロ、面白いけど主人公うざすぎる」みたいな話はよく目にします。ある意味、この8話までに"ウザい"という感想を持たせたことはまさに制作側の術中という感じだったんですね。「ウザいから切ったわw」とかいうオタクの話はなしで 

 人によって何かを"ウザい"と感じるのには差があると思いますが、日常生活と違いアニメや漫画等で"ウザさ"を感じるためには登場人物がアクティブな人間でなくてはならないと思います。ほとんど喋らない隅っこにいるようなオタクも日常生活の中では"ウザい"と感じることはあってもアニメに出てきたら特に何の感想も持ちませんよね。その点スバルは喋りすぎて"ウザい"コミュ障という立場をしっかり確立していると思います。

 実際ここ最近で僕自身が"ウザい"と心から思ったキャラクターは『暴れん坊力士 松太郎』の松太郎ぐらいですかね。

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暴れん坊力士!!松太郎|テレビ朝日

© ちばてつやテレビ朝日東映アニメーション

 その粗暴な振る舞いや言動、生き方等ウザすぎてウザすぎて序盤は本当に見るのもキツいぐらいで 実際半年でほぼ打ち切りのような形で終わったんですけど

 とにかくその巨体で様々なものを壊し、様々な人を病院送りにした松太郎、スバルに通ずるところがあるんじゃないかと思っています。

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© 長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

 この他にも花瓶を壊すシーンや料理シーン等もあるのですが共通する点は体の大きな動きにあるのではないかと思います。作画が来てるシーンではないですけれど、体全体を使って過剰な動きを見せる、これは原作のラノベの文字という媒体では表すことのできない"ウザさ"だと思います。そして同時にアニメならではの表現としての声、ゆっけこと小林裕介さんの演技も非常に素晴らしかった。後半の泣き演技もさることながら、空元気で出す楽しそうな声をかなり長い尺で演じ、同時に裏で「気持ち悪い…気持ち悪い…気持ち悪い…」という迫真に迫る演技や強い焦りを感じる呼吸音など引き込まれる演技でした。

 音響監督:明田川仁さんの作品では本作品のほかでも『ブブキ・ブランキ』、『アルスラーン戦記』、『コメットルシファー』、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』、『食戟のソーマ』等様々な作品で抜擢されています。ミュージカル、舞台経験もあり、キャラソンも歌える、見た目もイケメンと今後の活躍に期待できる声優さんですね。

 

 吐いたところをエミリアに見られ、膝枕シーンへ…

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© 長月達平株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

  あまりの良さに言葉が出ない系実況民と化していました。

 このシーン、ただの膝枕じゃないんですよね。最初は素直になれないスバルと恥ずかしがるエミリア。

そしてエミリア

「疲れてる?」「困ってる?」「大変…だったね」

 感情のタガが外れ、素直な感情を吐き出すスバル、小林君の泣き演技、高橋李依の母性溢れる声、窓から入る暖かな光の演出、そして挿入歌「ぼうやの夢よ」(歌:エミリア 作詞:hotaru 作編曲:大石昌良)、リアルタイムで見たときは泣いていたので挿入歌のメロディしか聞こえませんでしたが改めて聞くといわゆる子守歌。あたたかな雰囲気とマッチしたこの穏やかな楽曲はまさにぴったりの挿入歌でした。

 このエミリアの語りかけ、「大変」の部分から「だったね」で耳元に近づくとともに変わる音響、何度でも聞いていたい素晴らしさでした。この演出が何という名前なのか調べてもよくわからないのですが、いわゆるバイノーラル録音という手法なんですかね、知っている方がいたら教えてほしいところですが、名称にかかわらず素晴らしいものは素晴らしい。21世紀のアニメ音響監督を代表する明田川仁さんに感謝…

 いかんせん、電車系アニメにおける電車の音だったりバイク系アニメにおけるバイクの音などのこだわりは専門外な部分が多く、声優さんのキャスティングや誰にでも伝わるわかりやすい演出等でしか音響監督の違いを見出すことができない現状のぼくですが、違いがわかってくるようになると素敵ですよね。

 

 翌朝、レムとラムに膝枕をネタにされるところがRe:ゼロらしい良さ。そして呪術に関するヒントをつかみ次回、村へという流れでおしまい。

「ぼうやの夢よ」をサウンドトラックに収録してくださいよろしくお願いします…